全国から数十万人とも、100万人とも言われるほど人が集まる有田陶器市
大型連休期間中の一大イベント
JR有田駅から上有田駅までの約4キロの間に、窯元や小売店など約500店が店を開き、掘り出し物等を求める焼き物ファン詰めかけ賑わいます。
陶器の販売だけでなく、多彩なイベントや美味しいお店があったりと、陶器ファンでなくても楽しめる一大イベントです。
そんな有田陶器市に今年も行ってきました、、、
今回は、有田焼の魅力などについて。
ー 目次 ー
1 有田陶器市の魅力
■ 窯元の作品を安価で購入し普段使いに
■ なぜ、安く購入できる?
■ 難ありとは?
■ 手書きの作品(作者の力量)
■ 数を揃えていく楽しみ
■ 同じ品物が5個揃っている場合も
■ シリーズで揃える楽しみ
■ 本当に3分の1の価格?
2 開催初日に行くべし
3 こんなモノも購入
4 昼食は深川製磁で
5 有田陶器市の場所
6 おわりに
有田陶器市の魅力・・・それは、何と言っても窯元さんの手作りの作品を格安で購入できるということに尽きると思います、、(個人の意見デス。)
もちろん、深川製磁や香蘭社など、デパートが取り扱っているような品物を安くで購入できるというのも魅力ではありますが、、、私は、どちらかというと大量に作られたモノより、窯元さんが一つひとつ手作りした作品に魅力を感じています。
そして、その手作りの作品を日常で使用できるということも魅力です。
例えば、この(▼)マグカップ、、、
お気に入りの窯元(『道雪窯』)さんのお店(出店)で購入したもの。
通常であれば、1個11,880円(税込)で販売されていますが、今回は、約4,000円(税込)で購入できました。
”広告の謳い文句”的に言えば、「破格のプライスダウン!」というところでしょうか?
で、私の場合、、、コーヒーを飲まない日がないくらいコーヒー好きですが、それでもマグカップ1個のために1万円以上の出費をするか、、、となると、少し考えます。
ですが、これが4,000円になると、ハードルが一気に下がり、普段使いに一つ買ってみようかという気持ちが起こります。
お気に入りのマグカップで、休日の朝、美味しいコーヒーを楽しんでいる自分を思い浮かべると、、、十分検討に値する価格帯です。
で、その「破格のプライスダウン!」なんですが、格安価格には訳があります。詳細は次の項で、、。
安く購入できる理由、、、
今更、説明するまでもないんですが、、、(一応説明します)
ここまで(3分の1という価格まで)安く買える商品とは、窯元さんが2級品と位置付けている商品、いわゆる「難あり商品」という品物デス。
日常使用する上では全く問題ないけれども、若干のシミや汚れが認められるため、商品としての価値が下がってしまった品物です。
ですから、店舗で販売されている品物のすべてを格安で購入できるというわけではなく、2級品とされた物のみ安価で購入できることになります。
もちろん、交渉次第では、正規の品物でも安く購入できる場合もあるようです。
せっかく足を伸ばして陶器市を訪れているんですから、窯元さんと色々なお話をしながら値段交渉をしてみるという楽しみ方もあります。
頑張って交渉して(値切って)みましょう!
▼『道雪窯』さんの販売店舗。朝8時頃、開店直後なので、まだ人がいません。真ん中が2級品の島がコーナー。
▼店舗の中央に2級品のコーナーが作られています。このコーナーは全て3分の1の価格です。
で、前述したマグカップのどこが「難あり」なのかというと、、、。
ほんと、よく見ないと分からないんですが、カップの底に針で突いたような点(染み)があります。これだけです。この小さなシミのために価格が3分の1になってしまうんです。
写真では、なかなか判りづらいかもしれません、、、そんな染みです。
日常で使用する陶器、もちろん見た目も大事ですが、鑑賞用として購入するのではありませんので、僅かな染みくらい特に気になりませんし問題ありません。
特に、底の部分の染みですからコーヒーを注いだら見えなくなります(*^^*)
僅かこれ程の染みのために丹精込めた作品の価格が3分の1になってしまうなんて、作者さんも大変です。
焼きものですから焼き上がってくるまでは出来具合は分からないので仕方がないんでしょうね、、、。
ただ、作者さんにしてみれば、こうした品物を正規品として出せないというプライドから2級品として販売しているのでしょうが、、、購入する方としては、素敵な陶器を普段使いにできるわけですから、本当にありがたい限りです。
休日の朝のコーヒータイムもこのカップで一段と楽しいものになります。
ところで、このマグカップのデザインよく見かける模様ですが、『蛸唐草(たこからくさ)』というデザイン、描かれている模様は全て手描きです。
▼底にも模様が施されており、かなり手がかかっていることがお分かりいただけると思います。
多くの窯元さんが、このデザインを取り入れていますが、窯元さんによって、線の太さや、線の密度が異なり、窯毎の個性が現れています。
また、手描きならではのやわらかさ、呉須(ごす)の濃淡、線の勢いと余白とのバランスの妙なども描いた作者によって異なるところも見どころです。
※呉須 ~ 磁器の染め付けに用いる藍色の顔料
お店をいくつも梯子しているうちに、最初は同じように見えていた蛸唐草の模様がお店(窯)ごとに違うことに気付いてきます。
作者さんの力量を感じ、また、そこが見どころでもあります。
今回私が『蛸唐草』のマグカップを購入したのは、前述のとおり『道雪窯』という窯元さんですが、今年(2017)の有田陶器市のガイドブックで掲載店情報を確認したところ、、、
▼2017年のガイドブック(※クリックするとPDFにジャンプします)
【出典】有田陶器市公式ホームページ
↓
▼『道雪窯』の部分を抜粋
ご覧のとおり(▲)、『道雪窯』さんの紹介欄には、
他を圧倒する蛸唐草の数々 約60種類
と記されています、、、『道雪窯』の蛸唐草はおススメです
なお、『蛸唐草』の模様については、量販店等でプレスされた食器にプリントされたものをよく見かけますが、、、
はっきり言って手書きされたものとは別物、質感が全く異なります。
手描きされたものは表面に筆の跡の凹凸があり、重厚感があります。
▼凹凸がお判りいただけるでしょうか。
これもまた、手書き(手作り)の作品ならではの魅力です。
▼模様の少ない品物(左)もあり、全体に模様があしらわれたものに比べ、かなり安い価格設定になっていました。
2級品として販売されていますので、コーナーに置かれている品物は数が揃っていない場合が多いです。
どういうことかというと、例えば、同じお皿を5枚1セットで欲しいと思っても、2級品の場合、在庫が3枚しかなかったりするわけです。
これは仕方のないこと。
で、私の場合どうするかというと、
今年は、とりあえず3枚買っておいて、来年来たときに、もし同じものが2級品として販売されていれば、残りの2枚を購入する
というように数年をかけて揃えていきます。かなりのんびりした購入の仕方です、、、あくまでも私の場合です。
なお、翌年、同じお皿(2級品)が販売されている保証はありません(-_-;)。
どうしても5枚揃えたい場合は、残りの2枚については正規品のコーナーで販売されている定価の品物を購入するという手もあります。
が、それでは陶器市を訪れた意味がありませんので、一応、翌年も有田陶器市を訪れることを口実に、お楽しみは先送りにします。
ただ、遠隔地の方は厳しい、、、私のように自宅から1時間半ほどで来れれば、こういことも可能です。
2級品は「数が揃っていない場合が多い」と前述しましたが、今回、珍しく5個揃った『蛸唐草』の丼を見つけました。
普段使いの丼にしては、少々、高額でしたが、ちょうど丼鉢の買い替えを考えていた時期でしたので、即決で購入しました。
この丼の価格は想像にお任せしますが、マグカップがあの価格ですから、それを基に推測してみてください。
丼鉢はマグカップと比較して表面積が広いのでその分、蛸唐草の絵付けに要する時間も多くかかります。
ただ、これも2級品ですので3分の1の価格で購入しました。
▼前述したマグカップ同様、見えない底の部分にもしっかり、丁寧に絵付けがされており、手間がかかっているのがよくわかります、、、ホント丁寧な仕事ですね。
▼手書きの凹凸が質感を高めています。
有田陶器市だからこそ、こうした品物が定価の3分の1で買えるんです。
ただ、陶器市に行けば、こうした品物に必ず出会えるか、、、というと、残念ながら手ぶらで帰ることもあります。
だから陶器市にまた行ってみたくなるんですね~!
この丼鉢は、自宅で、お蕎麦や海鮮丼を作って食べるときに使用する予定です。
小皿や大皿、茶わんなどが全て同じ柄でそろっているモノ、シリーズで揃っているモノを訪れるたびに少しずつ揃えていくのも楽しみの一つデス。
なかなか揃いませんが、、、。
ちなみに我が家のお気に入りのシリーズは、この(▼)「麦の穂」のデザインです。
画像(▲)左下の大きい丸い大皿枚を5年前に購入、その右の少し小さいのを3年くらい前に購入、上の横長のモノと3枚の小皿が今回購入したものです。
小皿は5枚欲しかったんですが、2級品は3枚しか販売されていませんでしたので、今回はとりあえず3枚。また来年に期待します。
この麦の穂のデザインも、もちろん全て手書きで、ちなみに小皿3枚(▼)はいずれも絵柄が異なっているのがお判りいただけると思います。
こうやって、お気に入りのシリーズを少しずつ買い足していくことで、翌年もまた、有田陶器市に行きたくなります。
「ホントに3分の1の価格なのか?有田陶器市用に準備したものを「3分の1の価格」と銘打って、販売しているのではないか。」というふうに思われる方がいるやも、、、。
ご安心ください!
実は、2級品は店舗の一角に作られたコーナーに展示されていますが、2級品と全く同じものが、すぐ隣の陳列スペースでしっかりと販売されています。
▼中央に2級品、両サイドと奥に、正規の価格の品が販売されています。
▼正規価格のコーナー。右方の棚の上に蛸唐草のマグカップが、、、
▼高級な花器も販売されていました。
ちなみに、「有田陶器市用に準備したものを「3分の1の価格」と銘打って、販売」なんてことをやったら、そのお店の信用だけでなく有田焼の信用まで失うことになってしまいますので、そうしたことは決してないと思います。
なお、私の場合、正規品と2級品を目の前に出され、シミの部分などを隠されていたら、どちらが2級品であるかは判りません。
有田陶器市の来場者数は開催初日が最も多いとのこと、、、頷けます。
お目当ての窯元さんのB級品を購入するためには、開催初日に行くことが必須です。
それもなるべく早い時間に、、、
▼午前10時頃、人出もまだまばらです。
2級品であっても、人気のあるもの、良いものからまず売れてしまいます、、、訪れる皆さん、目的は同じなので、。
私も、有田陶器市を訪れ始めたころは、開催期間の中日などにのんびりと訪れていたんですが、『道雪窯』さんを訪れるようになり、
目当ての2級品を購入するためには初日にいかなければならない
ということが判り、今では毎回、開催初日の早朝に訪れるようにしています。
自宅のリビングにガラスの水槽を置いてメダカを飼っています。
水槽のガラス越しに眺めるメダカは、LED照明が照らし出す水草と相俟ってそれは綺麗で、時間が経つのも忘れてしまうほどです、、、本当に癒されます。
で、水槽のガラス越しに真正面から眺めるメダカもそれはそれで綺麗なんですが、、、
実はメダカは上から眺めるのも奇麗だということを知り(一般には「上見」と呼ばれている)、そのために専用の「睡蓮鉢」というものを購入することになりました。
で、ホームセンターなどを見て回ったんですが、サイズ、色等なかなか気に入ったものが見つかりませんでした。
そこで、今回、有田陶器市で見つけたのがこの(▼)睡蓮鉢です。
多分、これは、有田焼ではなさそうです、、、(-_-;)
ホームセンター等では、この手の睡蓮鉢を取り扱っているところはなかったので、一応希望の品物を入手できたことになります。
ちなみにこの睡蓮鉢、画像では比較するものがなくよくわからないんですが、直径が40cm、高さ30cmほどあります。
で、この睡蓮鉢を購入したのは陶器市会場の真ん中付近でしたので、マイカーを停めた駐車場まで運ぶのが大変でした、、、両手で抱えて運びました。
昼食は、深川製磁の本店(▼)でカレーをいただきました。
深川製磁は、本店とは別の場所(西有田工場に隣接するチャイナ・オン・ザ・パーク敷地内)で究林登(くりんと)というレストランを別途経営しており、そのレストランのメニューであるカレーが、陶器市当日、深川製磁の建物2階で販売されていましたので、昼食はそのカレーをいただきました。
▼倉庫だったところを急きょ食堂にしつらえた感じでした。
▼フルーティでとても美味しいカレー
ちなみに我が家も深川製磁のBLUE WINERY(ブルーワイナリー)というシリーズの食器を愛用しています。
▼ブルーワイナリー、、、パスタ皿として使用しています。
今回は、購入を見送りました。
【出典】有田陶器市公式HP(クリックするとジャンプします)
有田陶器市の場所ですが、交通の便が良いので比較的訪れやすい場所といえます。例えば、
■有田陶器市の会場は、福岡市内からだと車(九州道、長崎道利用)で1時間30分くらい
■列車だと博多駅から「みどり・ハウステンボス」号を利用すれば有田駅まで1時間20分ほど
で行けます。
私の場合、毎年マイカーを利用して訪れています。
ただ、渋滞に巻き込まれないよう、また、会場近くに駐車場が確保できるよう、朝6時に自宅を出発し、なるべく早く現地に着くようにしています。
午前8時頃をすぎると渋滞が始まることを覚悟しておいた方が良いと思います。
なお、列車だと渋滞や駐車場探しの心配もいりませんし、また「有田駅を出たらそこが会場!」なのでホント便利です、、。
しかし、沢山買い物ををしたときのことを考えると、、、少し厳しい(-_-;)、、ので、いつも車になります。
今回は、窯元さんの作品をリーズナブルに購入できることをメインに書いてきましたが、有田陶器市の魅力は他にも沢山あります。
有名な柿右衛門窯や今泉今右衛門窯を訪れ、作品を見て回るのもその一つ。
陶器の販売だけでなく、多彩なイベントや美味しいお店があったりと、陶器ファンでなくても楽しめる一大イベントです。
毎年、行っているのに、また行きたくなる、、、
楽しさが沢山詰め込まれた大型連休の一大イベントです。
もし機会があれば、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んいただきありがとうございました。